親にしかできない人間力を育む4つの役割

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皆さん、こんにちは。

いつもおやこフリースクールをご利用いただき、ありがとうございます。

お子さんが小学校に入学するにあたって、不安を抱えているお父さん・お母さんも多いと思います。

「かわいい我が子が大きなランドセルを背負って、一人で歩いて学校に行く」ことは親にとっても心配ですよね。

小学校入学頃から始まる学童期において、子ども達の対人関係力が育っていく過程で親にしかできない役割をまとめました。

①家庭でエネルギーを充電する

この時期は、「学校」という新しい環境で頑張るためのエネルギーをいかに家で充電できるか=安心できるかがポイントになります。

そのためには、スキンシップもまだまだ有効です。

家族と(特にお母さんと)一緒に時間を過ごしたり、求められればスキンシップに応じたり、少ない時間でも子どもが安心を感じられるような工夫が必要です。

下の子が幼くて手がかかる場合や仕事が忙しくてあまり時間が取れない場合でも、「お母さんは、ちゃんとあなたのことを見ているよ」という気持ちが伝わるように声を掛け、耳を傾けましょう。

お母さん(お父さん)が自分を見てくれているという「安心」があれば、子ども達は学校という新しい場所でも頑張れるのです。

②対人関係のモデルを示す

また、小学校の入学にともない本格的な集団生活が始まり、家庭とは別に「仲間」という集団が大きくなってきます。

親の声がスムーズに届いていた幼児期とは違い、親の声が子どもの心に入りにくくなってきます。親と仲間の価値観の違いから「親子げんか」も始まります。

また、対人関係が複雑になってくるので、学校のクラスメイトとの間などでもトラブルが生じたりします。

その際には、親として対人関係の処理の見本を示しつつ、可能な限り自分の力で対処するように促すことが必要です。

親にとっては、「子は親の思うようには育たない」という意識を持ち始める時期でもあります。そして、子どもは精神的に自立に向かっていく準備をスタートさせます。

子ども達は親をモデルに人間関係を構築するスタイルを形作るので、子どもに習得してほしいことは、親がモデルを示し、子どもが実践したら評価する(ほめる)ことです。

子ども達は学童期にたくさんの人と交流する中で、対人関係能力、コミュニケーション力を身につけていきます。

③あいまいさを加える

この時期の親が示すモデルの中に、あいまいさを加えることも重要です(詳しくは『宙ぶらりん力』を参照ください)。

「まあ、しょうがない」「そんなときもあるさ」「なるようになるだろう」「まあ、いっか」など、白黒つけない、問題を先延ばしにする、答えを出さないモデルを示すことで、子ども達は柔軟性を身につけます。

「こんな人もいるんだ、あんな人もいるんだ。」と言った具合に、違いを受け入れられれば、その後の人間関係でこだわりすぎずに妥協できるようになり、失敗したときも必要以上に自分を責めることが防げます。

④ほめる

子ども達は、親が示したモデルをほめられることで体得していきますが、この「ほめる」ことが意外と難しいようです

私は、よく面談が終わると、「○○ちゃん今日よく頑張ったのでほめてあげてくださいね。」とお母さんに声掛けをするのですが、「ほめ方がわからない」というお母さんがたまにいらっしゃいます。

ほめるときにいくつかポイントがありますが、一番大事なポイントは、親の感情が入っていることです。オーバーアクションくらいでも大丈夫です。そして、できるだけ具体的であること

  • 「今日はお手伝いしてくれて、ありがとう。あなたのおかげで家がきれいになったわ。お母さん忙しかったから、とても助かったー!
  • 「あなたが困っているお友達を助けてあげたって、先生に聞いて、お母さん本当にうれしい。勇気を出して行動できて、本当にえらいと思うわ。
  • 「○○ちゃんに譲ってあげられて、えらかったね!あなたは、優しい気持ちがあるのね。
  • 「80点も取るなんてすごいじゃない!ふむふむ、次は見直しをしてみたら、間違いに気付くかもね?でも、自分なりによく頑張ったね!

子ども達は、まだコミュニケーション能力が大人ほどないので、一番伝わりやすいのは、親の感情だと思います。

そして、何についてほめられているのかをできるだけ具体的に伝えることも大事です。

子ども達は日々「お父さん・お母さんにほめてもらいたい」、「受け入れてもらいたくて仕方ない」のです。

ほめられた経験が心に栄養を与え、自尊心を育み、「これでいいか。自分もまあまあやるじゃん。」と思えるようになるのです。そう思えたときに、初めて子どもが落ち着いて自分の力を発揮できるようになります

学童期以降になると、友達や仲間へと比重が移っていき、親のできることはどんどん減っていきます。

この移行がスムーズにできるように、学童期のうちにこれらのポイントを実践して、土台を作っていくことが大切です。

なお、お子さんが学童期を過ぎていても、基本は変わりません。

親が日ごろからこれらの役割を意識することで、再び人間力(人格)が成長し始めることもあります。

あきらめずに声掛けを続けてください。

困ったときは、おやこフリースクール・おやこ心理相談室へご相談ください。

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