不登校の子ども達によくある現象①「朝起きられない」
皆さん、こんにちは。
いつもおやこフリースクールのブログをお読みいただきありがとうございます。
不登校や登校しぶりが始まるサインとして、「朝起きられない」という症状を訴え始めることが多くあります。
親としても起きられないことを心配して、目覚まし時計を爆音にしてみたり、朝何度も声をかけたり、布団をはいでみたり、たたき起こしてみたり…。
前の日の夜に早く寝せてみたり、寝る環境を整えてみたりと、いろいろやってみてもいっこうに起きられる気配がありません。
なぜ起きられないのか?
彼らの多くは、一見すると一日中家で寝ていたり、ゲームやYouTubeばかり見ていて、十分休んでいるように見えるので、周囲からは「しっかり休んでいるじゃないか?」「甘えているだけだ!」と勘違いされてしまうことがあります。
一方で、彼ら自身はというと、「ちゃんとできていない自分はダメなんだ。」と自分を責めていることがほとんどです。
実は本当の意味では、彼らはちっとも休めておらず、朝起きられるほどのエネルギーがないのです。
彼らの多くは「勉強が遅れるから学校に行かなきゃいけない」と分かっているのに「体が動かない」とか「朝起きられない」と訴えます。
そして昼ごろまで寝て、午後になると朝の体の重さがウソのように、体も軽く、気分もラクになってきます。
しかし、夜になると、また明日のことを考えて気分が沈み、泣き出したり、イライラしたり、情緒がとても不安定になってくるのです。
中には、この不安に耐え切れずにリストカットや過食をしてしまう子もいます。
エネルギーを与える家庭と奪う家庭
朝起きて、準備をして、学校へ行くという作業は、実はとってもエネルギーを使います。
多くの学生は当たり前のようにやっていますが、それは「家庭内でエネルギーがしっかり充電されている」か「仲良しの友達がいる」「自分を受け入れてくれる横のつながりがある」のどちらかです。
エネルギーを充電するためには、「お前はそのままでいいんだよ」と家族に受け入れられて、家庭の中で安心して過ごすことが一番です。
朝起きられないと訴える子ども達の多くは、身体は休んでいるように見えても、家族関係や両親の不仲などで大きな不安や心配事を抱えていて「心が休めていない」のです。
そこにきて、毎日のように、「早く起きなさい!」「学校に行きなさい!」「そんなんで、どうするの!」「なんでちゃんとできないの!」などと脅され、急かされていたら、もともとエネルギー不足の子どもたちが自分から望んで学校に戻れるでしょうか?
彼らは、一見休んでいるように見えても、エネルギーが充電されておらず、「とても疲れている」、「疲れ果てている」、「燃え尽きている」、だから「もう頑張れない」と訴えているのです。
安心感を得ることが近道
逆に言うと、彼らの多くは家庭でしっかり受け入れられて安心できるようになれば、自分から朝起きてきます。
個人的な意見になりますが、ずっと休むこともままならない状態で頑張り続けてきた彼らは「相当な頑張り屋さん」だと思っています。
そんな彼らの気持ちを理解して、お母さんが「よく頑張ってきたね」、「心が休めなかったんだね」、「心配かけたね」と声をかけて、毎晩ギュっと抱きしめてあげるだけで、朝起きれるようになって、学校に戻った子をたくさん見てきました。
いろんな医療機関をぐるぐる巡るよりも、よっぽど簡単なことです。
ご家族の存在というのは、それくらい子ども達にとっては絶大なのです。
知っているようで知らない「子どもの受け入れ方」
「朝起きられない」現象が始まったとしても、それは一概に家庭に問題があるわけではなく、子どもたちの過敏さや受け取り方など、様々な要因が考えられます。
「お子さんの特性がよく理解できていない」ということもよくあるので、お母さんが自分を責める必要はありません。
おやこペアレントスクールでは、まず「不登校の子どもの心理解説」を通して子どもの考え方や受け取り方、感じ方を学びます。
それらが、大人と全く違うことを理解したうえで、「子どもの接し方・受け入れ方」と「こんな場合はどうやって声をかけるか」を実際の場面に当てはめてみんなで一緒に考えていきます。
毎回のセミナー後は約2週間の実践期間があり、宿題も出ます。
ペアレントスクールで学んだことをご自宅用にアレンジしたり、お子様に合うやり方を見つけていきます。
毎朝とてつもない労力をかけて子どもを起こそうとするより、その労力を「子どもを理解する」ことへ費やしてみると今とは違う日常が見えてくるかもしれません。
2022年第1回おやこペアレントスクール |
1回目:9月7日(水)19:00-20:30 セミナー「子どもの心理を理解する」 |
2回目:9月21日(水)19:00-20:30 振り返り・質疑応答・オープンカウンセリング※1 |
(※1:質問・疑問・悩み・不安なんでもカウンセラーにその場で相談できて、みんなでシェアして一緒に考えます。)