かくれんぼのできない子ども達
皆さん、こんにちは。
以前のブログでも解説しましたが、思春期の子ども達の心理状態を「いないいないばあっ!」に似ていると例えました。
そもそも、この「いないいないばあっ!」が始まるのは、生後4週間頃からと言われています。
最初は、親御さんの方から子どもに向けてやりますね。
そうすると、それを見た子どもがお母さんやお父さんの顔を見てケラケラ笑うようになります。
それがしばらく続いていくと、今度は子どもの方が隠れたり、自分から「いないいないばあっ!」を親御さんに仕掛けていくことになります。
つまり、自分がわざと姿を隠してしまって、親に探させてワッと出てきたり、それがやがて子ども同士のかくれんぼに発展していきます。
この「かくれんぼ」を友達と楽しくやれるような子どもは、精神発達が順調にいっていると思っていいでしょう。
ところが鬼ごっこをしたり、かくれんぼができない子がいるんですね。
鬼が見つけてくれないんじゃないか?
こういった子供達は、かくれんぼ遊びをしていて、自分が隠れていると、それっきり鬼が見つけてくれないんじゃないか、という不安が起こってきてしまうのです。
難しい言葉で説明すると、一人ぼっちになってしまう不安、つまり「分離不安」が起こってしまうということなんですね。
それで不安のあまり、わざわざつかまるようにノコノコ出てきてしまうことがあります。
時間にすればそんな長いことではないのに、それが耐えられない子ども、一人でじっとしていることが耐えられない子どもがいるのです。
鬼になった時に見つけることができない子ども、よく見つければいるのに、自分が一人ぼっちでのけ者にされたみたいな感じにとらわれてしまって、鬼でいることが続けられない子ども、こういう子がいたら、かなり真剣にその子の心のことを考えてみて下さい。
分離不安を取り除くためには?
では、こういった子ども達が、どうしたら分離不安を抱えながら一人で居られるようになるのでしょうか(これは、登校渋りや不登校等にも言えることです)。
親御さんが陥りがちな対応の多くは、無理に子どもを突き放そうとすることです。
子どもには、突き放されるとしがみつくという心理があります。
この心理を前提に考え、不安が強くて一人で居られない場合には、逆に、ぎゅっと抱き寄せて、安心させてあげた方が効果的ということになりますね。
この時、「そんなに甘やかしたら、この先独り立ち出来なくなってしまうんじゃないか」という不安が過ぎることがありますが、心配はいりません。
安心さえ抱くことができれば、子どもは勝手に親元から離れていくことができます。
安心感を抱くことが出来る子どもは、「自分が仮に離れていても、戻ればお母さんはいつもそこにちゃんといる。自分を迎えてくれるお母さんがいつでもいるんだ」という信頼できるお母さん像をちゃんと心の中に持てるようになります。
それがしっかりないと、かくれんぼの例のように、「自分が隠れているともう見つけてくれないんじゃないか」。
つまり、自分がいなくなったら、途端にお母さんはさっさと別な方を向いてしまって、どこかへ行っちゃうんじゃないか、そういう不安感を持ってしまうことになるのです。