ギフテッドチルドレンとタレンティッドチルドレンの違い
皆さん、こんにちは。
前回の記事で才能児(ギフテッドチルドレン)について書きましたが、正確には、才能児には、ギフテッドチルドレンとタレンティッドチルドレンという2つの分類があります。
ギフテッドとタレンティッドの違い
ギフテッドと同じように、タレンティッドに関しても世界共通の定義はまだないようです。
タレンティッドに共通して当てはまる特徴は、
- 広範囲の物事に対して頭抜けたセンスを持つ
- 感情面がとても繊細でやや神経質
- 表現することが得意
- 並外れた画才・文才・音楽的才能・身体能力・独創性がある
- 少しの鍛錬、練習量である種のスポーツで秀でた才能を発揮する
などです。
ギフテッドとタレンティッドに共通している特徴も多くありますが、一番の違いは、ギフテッドは物事を論理的に分析し解明する高い能力をもっていて、タレンティッドは感受性に優れ高い創造能力をもっていることです。
簡単に言うと、ギフテッドは知性の分野で高い能力を発揮することができ、タレンティッドは芸術やスポーツにおいて高い能力を持っています。
タレンティッドは幼いころから、独創的な絵を描く、一度聞いたメロディをコピーできる、体を動かすことが得意などの才能を発揮します。
また、完ぺき主義でストイック、こだわりが強く、自分を追い込む傾向があります。
タレンティッドチルドレンへの支援
学習能力を重視する日本の学校システムの中では、学習能力が高いギフテッドよりも、注目されづらく、タレンティッドの才能を見つけて伸ばすという取り組みはさらに遅れを取っています。
海外ではギフテッドとタレンティッドをいろいろな側面から判断するシステムがあるようです。
例えばアメリカでは、IQテスト(WISC-Ⅳ、WPPSI-Ⅳ)で知能指数を測ると同時に、以下のような項目も評価の対象になるそうです。
- 複雑な文章を作る力、関係性やパターンを識別できる力
- 好奇心や突き進む力、記憶力、理解力
- 想像がつかない、普通でない視点
- ユーモアを理解できる力
- 正義や公平性への敏感さ
- 年齢より上の知識や情報を理解できる力
これらの評価と、コンテストやコンクールなどの実績を考慮して、子ども達の能力に合わせた学校選びができるようになっています。
学校側も、普通授業とは別に、それぞれの才能を伸ばすプログラムを勧めるなど、才能児を支援する体制が整っています。
学校に行かないという選択肢も準備されています。
お家で勉強をする仕組み(ホームスクール)に関しても、大学が開発したホームスクール用のプログラムが受けられるなどの支援があるそうです。
アメリカでは、ギフテッドやタレンティッドの子ども達を見つけて伸ばすシステムが整っていますが、それと比較すると日本はまだまだ遅れていると言わざるを得ません。
ギフテッドやタレンティッドの子ども達が海外留学という選択をすることも、理解できますね。
その子が一番過ごしやすい場所を探す
「みんなが同じであること」を求められる日本の教育システムの中では、このような才能児たちは、「ちょっと変わった子」や「不思議な子」「浮いてる子」として見られることがあります。
そのうえ、難しい質問をしたり、周囲の子ども達には理解できないことを言ったりするので、先生からは手を焼かれ、クラスメイトからも疎まれたりして、いじめの対象になったり、仲間外れにされたりと、苦しい思いを抱えることにもなりかねません。
中には、「人と違う自分が悪いから…」と自責感を抱く人もいるかもしれません。
誰も自分を理解してくれないとしたら、学校に行くのが苦痛になり、不登校になったとしてもなんらおかしなことではありません。
こういう子ども達が、私たちの身近に意外とたくさんいます。
ギフテッドやタレンティッドの子ども達が、集団の中で自尊心を傷つけられることなく、自分の能力を信じられるようになってほしいと思います。
そのためには、その子が自分らしく輝ける場所が必要になってきます。
外に出ると、日本の学校という枠が自分には少し小さかっただけということに気付くことができ、今までの息苦しさや自責感から解放されるのではないかと思います。
海外留学ももちろんですが、国内にいてもフリースクールやオルタナティブスクールなどの選択肢も増えてきています。
是非、その子が一番過ごしやすい場所、その子に合った学びの場を見つけてあげて下さい。
参考文献:「才能はみだしっ子の育て方」 酒井由紀子著