不登校対応:「分からない」を放置しない

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みなさん、こんにちは。

いつもおやこ心理スクールをご利用いただきありがとうございます。

子どもが不登校になったり、何か問題を起こして、親が想定している「普通」の枠を超えてくると、家庭内にはたくさんの「わからない」が発生することになります。

これは至って自然なことです。

親としては、

  • 「どうして子どもがこうなったのか、分からない」
  • 「子どもにどう対応したらいいのか、分からない」
  • 「子どもが何を考えているのか、分からない」などです。

「わからない」が発生するのは親だけではありません。

子どもこそ、たくさんの「わからない」を抱えることになります。

  • 「どうしてこうなったのか、分からない」
  • 「どうしたらいいのか、わからない」
  • 「どうしてほしいか、分からない」
  • 「自分の気持ちが分からない」などです。

ただでさえ子どもは自分のことが分からなくて困っているのに、親から「どうして?」「なぜ?」「どうしたいの?」「何が不満なの?」「お母さん(お父さん)はどうしたらいいの?」と問い詰められたり、大声で怒鳴られたり、「そんなことも分からないなんてダメな奴だ」と否定されたり、一般論をかざして「こうするべきだ」なんてお説教されたら、子どもはさらに追い詰められていくわけです。

では、子どもが問題を訴えているときに親としてどのように対応したらいいのかを考えてみましょう。

「わからない」を自覚する

第一に、親も子も自分が「わからない」ことを自覚することが大切です。

人は誰でも「わからない」ことは不安です。

だから、その不安を解消しようと答えを求めて、子ども本人に問い詰めたり、夫婦の間でお互いに責任を押し付け合ったり、なんとか答えを引き出そうとしてしまいます。

親御さんの話を聞くと、「そんなことはない、子どもを問い詰めたりしていない」とおっしゃる方が多いのですが、親御さんの不安に耐えられない気持ちは、日頃の態度やちょっとした仕草や言葉の端にしっかりと表れて、子ども達に届いています。(子どもは親に見捨てられやしないかと常に心配で、親の態度にはものすごく敏感です。)

「わからない」ことは悪いことではありません。

むしろ、初めての子育ての中で分からないことがあるのは当然でなんらおかしなことではありません。

しかし、プライドの高い人や完璧思考の強い人は、自分が「分からない」ということを認めることができません。

結果的に「わからない」こと(=問題が起きている状況)をそのまま長期間放置することになってしまうのです。

「わからない」を訴える

我が家の状況が「分からない」ということが自覚できたら、それをそのまま家の外に出して、助けを探しましょう。

無意識にやっている方も多いと思いますが、例えば、友達に相談するとか、ネットで有益な記事を探すとかでも、助けを探していることになります。

その延長線上に、学校のスクールカウンセラーや医療機関、行政や民間の相談機関などがあります。

有料の機関もありますが、無料のところもたくさんあるので、それぞれのご家庭に合った場所を見つけて、「わからない」を訴えてほしいと思います。

必要なサポートを選ぶ

不登校になった場合の対応として、検討していただきたいサポートがいくつかあります。

  • スクールカウンセラー

まずそれぞれ学校に配置されているスクールカウンセラーに会いに行くことをお勧めします。

学校の事情にも詳しく、先生とのパイプがあるので、学校との連携という点で利点があります。復学を見据えている場合は、学校とつながっておくことが重要です。ただし、スクールカウンセラーはあくまで学校所属のカウンセラーなので、学校を休むことに対しては慎重派もいるようです。

  • 思春期内科・心療内科(投薬治療)

医療機関では、不登校を病理的な側面から診てくれます。不眠や食欲不振など体の不調を伴う場合は、医療機関で適切な処置を受けることをお勧めします。お薬を飲むことで症状が和らぐことは大いに期待できますし、体がラクになれば気持ちがラクになることもあります。

  • カウンセリング(会話にて治療)

思春期の不登校という症状は、心の問題がきっかけになっていることが多く、そういう場合はお薬を飲んでも治りません。カウンセリングでは、問題を引き起こしている原因を探し、気持ちを整理して前に向かっていく気力を養っていきます。会話をするという治療になるので、それなりに時間はかかりますが、感情の処理方法を学んだり、考え方を修正したりと、その先の人生においても必要なスキルを身に付けることができます

  • 心理検査WISC(特性を知る)

知らない方も多いかと思いますが、不登校の原因を知るために心理検査も有効です。心理検査は、学校や医療機関、相談機関などで受けることができます(場所によっては有料)。心理検査では、知能指数の他にも特性(得意・苦手)を知ることができ、苦手なことが不登校に起因していることもあります。また、苦手なことの対策を教えてくれたり、場所によっては、結果を踏まえたうえで必要なカウンセリングや社会化の練習を提供してくれるところもあります。

  • フリースクール(学校以外の居場所)

不登校が長くなった場合や、学校が合わないと理解した場合は、フリースクールもご検討ください。学校に行かなくても勉強はできるし、大人にはなれますが、唯一不足してしまうものがあります。それは「人とのつながり」です。友達や先輩・後輩、先生との関係などのつながりが全く断たれてしまうと、新しい価値観が創られなかったり、人に頼るという体験ができないまま大人になってしまいます。家族以外の人とのつながりを維持するためにはフリースクールも役に立ちます。

いろいろな不登校サポート

このように、不登校のサポートはいろいろなものがあります。

不登校対応は早ければ早いほど予後がいいとされています。

実際に、当相談室にも登校しぶりになった早い段階で、カウンセリングにいらっしゃる方が増えてきています。

早い段階で来られた方は、改善も早いです。

「わからない」をそのまま放置していても、改善はほぼ期待できません。

ご家庭に合った答えが必ずあります。

是非、「わからない」を放置せず、誰かを頼ってください。

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