フリースクールの子どもたちに教えてもらうこと
皆さん、こんにちは。
いつもおやこフリースクールをご利用いただきありがとうございます。
おやこフリースクールは、群馬県富岡市にあるフリースクールで、月・水・金の午前中にオープンしています。
主な対象は、中学生と高校生で、少人数に限って受け入れています。
おやこフリースクールは夏休み期間も、生徒さんに合わせてオープンしています。
日によって、来たり来なかったりですが、今年も暑かった夏を無事に乗り切ることができました。
これまでのフリースクール運営の中で、子どもたちに教えてもらったことがたくさんあるのですが、今回は、中でも大事なものを二つ皆さんとシェアしたいと思います。
学校に行けない子どもたちの心理を少しでもご紹介できればと思います。
①他人が怖い
不登校の子どもたちのほとんどは、他人が怖いです。
そもそも、学校に行けなくなってしまった理由に、いじめや人間関係のトラブルなど、他人との関りの中で傷ついたという経験をほとんどの子どもが持っています。
そして、そのことを誰にも言えず、傷を癒すすべもなく、いつまでも傷ついたままの状態の子がほとんどです。
そのうえで、学校に行けない時間が長くなってくると、どうしても家にこもりがちになってしまい、家族以外の人との関りが希薄になってしまいます。
心の傷が癒えないまま、他人との関りがない期間が長くなってくると、他人との関わり方が分からなくなり、当然のことながら他人が怖くなってしまいます。
「もう傷つきたくない」という思いもあって、どうしても外に出る(他人と関わる)一歩が踏み出しづらくなってしまいます。
こうなってしまうのは、ある意味当然の流れで、なにもおかしなことではありません。
だからと言って、無理やり外に連れ出して、表面的には外出できていたとしても、他人が怖いという気持ちが常にあるので、外に出ることはストレス(誰かに話しかけられたらどうしよう?)以外の何ものでもなく、誰にも心を開くことができません。
おやこフリースクールは、他人が怖いという子どもたちの気持ちを大事にします。
スクールに来ることだけでも、子どもたちにとってはとても大変なことです。
最初のうちは恐怖と不安と不信感だらけの子どもたちですが、一緒に時間を過ごすうちにいろいろと話をしてくれるようになります。
本人も意識していないうちに起こる変化のようで、気が付いたらスタッフに慣れていて、気が付いたらいろんなことを話していた、という不思議な感覚らしいです。
本人は何も気が付かないまま、会話を通して、人に慣れる作業と心の傷を癒す作業を同時進行で行っていきます。
②感情が表現できない
もう一つ子ども達に教えてもらったことは、感情が表現できない・感情の表現が分からない、もしくは感情自体が分からないということです。
お子様の様子を見ていて、「なんかこの子感情表現が薄いな」とか「最近あまり表情が無いな」と感じたことはありませんか?
これも不登校の子どもたちの多くに共通している特徴の一つです。
最も深刻なのは感情自体が分からないというケースで、うれしい・楽しい・しあわせといったポジティブな感情さえ分からないということもあります。
感情を失ってしまう背景には、苦しすぎる日常から逃げたい・忘れたいという強い思いがあります。
その思いの強さから、疲れや痛みといった感覚までも自己防衛的に鈍麻させてしまうことがあります。
苦しさや辛さを感じ過ぎてしまった結果、ポジティブな感情と、体を守るために必要な感覚も一緒に手放してしまったのです。
感情や感覚を取り戻すためには、安心できる環境と、感情を豊かに表現できるお手本のような存在が必要になります。
当スクールでは、子どもたちが感情を取り戻し、いきいきと表情豊かに生活できることも目標の一つにしています。
そんな環境に触れていると、自然と感情が戻ってきて、フリースクールに行くのが「楽しみ」とさえ感じてくるようです。
変化や成長が目に見える
フリースクールでの日々の中で、子どもたちの変化は目まぐるしく、今まで無意識に堰き止めていた枷がはずれて、成長が一気に加速していくような感じに見えることもあります。
子どもたちの変化や成長を目の当たりにすることこそが、子育ての醍醐味だと思います。
このプロセスをご家族の皆さんとこれからもシェアして行けたらと思っております。
おやこフリースクールは、これからもご家族と子どもたちの成長を応援してまいります。