不登校の裏に隠れている親子の共依存③
共依存親子簡単チェック

共依存親子かどうかを簡単にチェックしてみましょう。
お子さんは、母親のことを「かわいそう」だと思っていますか?
もしくは、あなた自身は、自分の母親を「かわいそう」だと思っていますか?
これらの質問にYESと答えた方は、共依存親子である、もしくは共依存親子を作り出す可能性が高いです。
というのも、母親がかわいそうだと思っているということは、すでに母親と父親の夫婦関係が機能していないという証拠です。
両親の不仲・考え方の不一致、父親の長期不在・父親の存在が薄い、父親のDVや各種依存症、その他の理由で父親の存在自体が弱い場合、子どもは母親が「かわいそう」という幻想を抱き、かわいそうな母親を何とか守らなければと奮闘した結果、母親との共依存親子になってしまうのです。
子どもからしてみれば、必死に母親を守ろうと頑張ってきて、いざ大人になって巣立ちのときが来たら、今度は自分が母親から離れられなくなってしまったというわけです。
よく注意しておかないと、もともと関係性の近い母親と子どもは、いとも簡単に共依存関係になってしまいます。
共依存親子は卒業できる!

しかし、適切なケアを受けることで、共依存親子からの卒業は十分に可能です。
当相談室でも、共依存関係を改善した経験が何度もあります。
その結果、親も子も自分らしくイキイキと幸せに生きている親子がたくさんいます。
- 母子カプセルから卒業し、自分の意志で復学・進学したケース
- 母子カプセルを卒業し、恋愛し結婚して、子どもを授かって、実家をうまく利用しながら子育てに奮闘しているケース
- ひきこもりから卒業し、一人暮らしを始めて、経済的にも精神的にも自立したケースなど
年齢に関係なく、共依存親子を卒業することは可能です。
親からしてみても、共依存親子を卒業するということは、この先親がいなくても、子どもが自分で生きていけるという安心につながります。
そして、この子どもの自立という安心感を得たときこそが、子育てが成功したという実感が持てるときなのではないかと思います。
おやこ心理相談室における共依存親子のご相談に関しては、親御さんからの直接のご相談と、子どもたちからのSOSを受け取ってのご相談と2つのパターンあります。
子どもたちのSOSは様々な問題行動として表れることが多くあります。
特に問題が長期化しているケースの場合には、その問題の背景に親と子の共依存関係が隠れていることが多く、その関係性にアプローチしていかない限り、問題の本質的解決には至らないことが多いのです。

子どもがSOSを出してくれているとしたら、これはとてもありがたいことです。
親子の共依存を卒業するチャンスです。
学校に通っているなら、学校とのつながりの中で支援はいくらでも受けられます。
しかし、大人になればなるほど、利用できる行政の支援は減り、時間もお金もかかります(当相談室は大人の問題も扱っており、単回だけのご利用も可能です。)
子どものSOSに気が付いたら、躊躇せず、なるべく早めに対応することが大切です。
お母さんが悪いわけじゃない!
最後に誤解のないように伝えておきたいのですが、共依存の問題において、決してお母さんが悪いとか、お母さんが間違っているということはありません。
お母さんも十分苦しんでいます。
どんなに苦しくても助けを求められないのは、様々な環境要因も大きく、お母さん一人が悪者ということは決してありません。
もし、親子関係の不自然さにうすうす気が付いていたけど、どうしていいか分からなかったとか、親子(夫婦)関係が苦しくて、でも我慢するしかないと思っていたということがあれば、誰かに助けを求めるという選択肢をぜひ実行してみてください。
当相談室では、数回のご利用で、親子関係のコツを学習し、それらを意識することで関係が改善し、親子関係がラクになられたというケースもたくさんございます。

助けを求めることは悪いことではありません。
あなた自身の幸せ、ひいては子どもの幸せのために、勇気を持って助けを求めてください。
子どもに依存しなければやっていけなかった、あなたの気持ちを一つ一つ丁寧に扱っていきたいと思います。