R5年度不登校児童数、過去最多

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文部科学省は10月31日、令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果を公表しました。

この調査によると、小・中学校における不登校児童生徒数は346,482人(前年度299,048人)で、前年度から47,434人 (15.9%)の増加だそうです。

増加率は前年度と比較して若干低くなったものの、11年連続増加し、過去最多となったそうです。

不登校増加の背景

増加の背景として、保護者の学校に対する意識の変化、コロナ禍の影響による登校意欲の低下、特別な配慮を必要とする児童生徒に対する早期からの適切な指導や必要な支援に課題があったことなどが挙げられています。

不登校の背景として、小・中学校においては、「学校生活に対してやる気が出ない」(32.2%)が最も多く、続いて「不安・抑うつ」(23.1%)、 「生活リズムの不調」(23.0%)、「学業の不振」(15.2%)、「友人関係をめぐる問題」(13.3%)の順で多かったそうです。

なお、学校内外の機関等で専門的な相談・指導等を受けていない児童生徒数は全体の38%で134,368人(前年度114,217人)いることが分かりました。

高等学校における不登校生徒数は、68,770人(前年度60,575人)であり、前年度から8,195人(13.5%)増加し、過去最多となりました。

増加の背景として、高等学校進学やクラス替え等に伴う不適応の増加やコロナ禍の影響による登校意欲の低下などが考えられるそうです。

理由としては、高等学校においても、「学校生活に対してやる気が出ない」(32.8%)が最も多く続いて「生活リズムの不調」(26.7%)、「不安・抑うつ」(16.7%)、「学業の不振」(15.4%)、「友人関係をめぐる問題」(11.0%)の順で多かったそうです。

児童生徒の自殺者数は依然として高いまま

最も憂慮すべき点は、児童生徒の自殺が後を絶たないことです。

小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数は397人(前年度411人)であり、前年度から減少したものの、依然多くの子ども達が自ら命を絶つ状況が続いているということです。

いじめに関しても、小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は732,568件(前年度681,948件)であり、前年度から50,620件(7.4%)増加し、こちらも過去最多となりました。

この調査から読み取れること

不登校になる理由で一番多いのが、小・中・高校すべてにおいて「学校生活に対してやる気がでない」という理由から、無気力になっている子ども達が多いことが分かります。

スチューデント・アパシー、燃え尽き症候群、無気力症、もしくはその予備軍がとても多いと考えられます。

これらの症状を起こしやすいのは、真面目な頑張り屋さんですが、彼ら・彼女たちが「もうこれ以上頑張れない」という状態に陥っていることが想像できます。

これらの症状は適切な対応を取ることで、改善は十分に可能ですが、専門的な相談や指導を受けていない児童も約4割いることからも分かるように、いかにサポートが必要な子ども達がサポートを受けられていないかが見て取れます。

これはとても深刻なことです。

また、学校には行けなくても大人になることはできますが、やはりこれだけ多くの子ども達が、心身の成長過程において最も重要な学童期に「人との関わり」を持つことができずに成長しているという点は危惧しなければなりません。

対人関係スキルや社会的なトレーニングを積むうえでも、家族とはちがう「他人との関わり」が学童期には必要不可欠になってきます。

みんなで考えるべき大切な問題

毎年この時期に、文部科学省からこの調査結果が発表されて、たくさんの人の目に留まり、いじめや不登校の問題を考えるキッカケになるのはとても意味があることだと思います。

約41万人の小・中・高校生たちが学校に行くことを拒否し、約72万件のいじめが起こり、397人の子どもが自らの命を絶つこの国の将来が、本当に心配です。

この国で子どもを育てている誰もが安全に子育てができる権利と子ども達がのびのびと自分らしく生きていく権利がしっかりと守られてほしいですね。

みんなで考えたい大切な問題だと思います。

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