「メンタルが強い」ってどういうこと?

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みなさん、こんにちは。

日頃より、おやこ心理相談室をご利用いただきありがとうございます。

よく日常会話の中で「メンタルが強い・心が強い」とか逆に「メンタルが弱い・ガラスのメンタル」と言った表現を耳にすることがありますが、メンタルの強弱とはいったいどういうことなのでしょうか?

メンタルに強い・弱いがあるとしたらどのような人のことを言うのでしょうか?

今回は、精神的な強さについて考えてみたいと思います。

皆さんは、「メンタルが強い・弱い」と聞いて、どのようなことをイメージされるでしょうか。

  • 自分の考えを曲げない意志の強い人?
  • 誰に何を言われても平気な人?
  • なんでも自分一人でできる人?
  • 本番で思うように力が発揮できない人?
  • 弱音を吐く人?
  • 困ったときに誰かに頼っている人?

他にもいろいろなイメージが浮かんでくることでしょう。

強いこころ=柔軟でしなやかなこころ

臨床心理学では、「強いこころ」の状態を、「柔軟でしなやかなこころ」と捉えています。

よく例えられるのが、一本の木です。

強風が吹いた時に、風の程度によって適度に揺れることができない木は、どんなに頑丈であっても、すぐに折れてしまいます。

しかし、竹のように柔軟にしなる木は、比較的強い風にも耐えることができます

「こころ」も同じようなイメージです。

では、「柔軟でしなやかなこころ」とはどんな状態を言うのか考えてみましょう。

私は、毎日何かしらの理由により「心を病んでしまった」子ども達と面接していますが、彼らの多くは、自分や相手の言動にこだわり、自分と相手との関係に自信が持てない子どもたちです。

この子どもたちに接していると、「意思が弱い」という子はむしろ少なく、決めたことの成否へのこだわりが強すぎたり、相手のことを思いやり過ぎて疲れてしまうような子が多く見られます。

そして、投げやりになったり、あきらめてしまったりできないことで、ますます自分を苦しめたり、追いつめたりして、悪循環に陥ってしまうというのが実態です。

周りには「そんなことにこだわらなくても・・・」と思えることに、こだわり、苦しんでいるのです。

当の本人は「これを越えなければ次には進めない」という状態になっているのです。

こういった発想は、大人でも持っている方はたくさんいますが、その多くはうつ病など何かしらの精神疾患を患っています。

ここで柔軟な対応がとれるか否かによって、大きな違いが出てきます。

柔軟な対応の代表例は、「まっ、いいか!」です。

他にも、「それは明日また考えよう」「上手く行かないときもあるさ」「そういう風に考える人もいるだろう」「これだけできたんだから十分だ」「誰かに話してみよう」などのあいまいさを許すことができる発想です。

このあいまいさを許すことができる発想こそが、「メンタルが強い人」の特徴なのではないかと思います。

これを踏まえて、もう一度上記のリストを見てください。

今度は一度目とは異なるイメージを受け取ったかもしれませんね。

あいまいさを許せる発想を育てる

この発想を持てる子どもに育てることは、その子が後の人生において対人関係を良好に保つのに大変役に立ちます

子どもたちは競争から逃れることは出来ませんが、集団の中で様々な人と接し、多様な考え方や対応の仕方を見聞きしたり、体験したりして、成長していきます。

好きな者同士の交流だけでは、多様な個性や我慢するこころは育ちません。

「柔軟でしなやかなこころ」を持っていることにより競争の中を泳ぎ、「まっ、いいか!」の心によって社会の中で共生していくことができるのです。

この柔軟なこころの発想を身に付けるのは、今からでも遅くありません。

身近にいる親や保護者がモデルを何回か示せば、子どもたちはおのずと覚えて実践することができるのです。

時には、親御さん自身が「まっ、いいか!」とつぶやく姿をお子様の前で見せてあげてもいいかもしれませんね。

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