不登校によくある現象③ おなかが痛い・あたまが痛い

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皆さん、こんにちは。
いつもおやこフリースクールのブログをお読みいただき、ありがとうございます。

2学期が始まったこの時期、子どもたちによく起こる現象は、頭痛や腹痛などの体の不調です。

他にも、めまいがする、気持ちが悪い、吐きそう、体が動かない、などの不調もあります。

これはどちらかというと、本格的な不登校が始まる前のサインで、今までは普通に学校に行っていたのに突然訴え始めるということが多いです。

朝起きて、朝食をすませ準備を整えるところまではできても、いざ出発する時間になると、「あたまが痛い」とか「おなかが痛い」と訴え始めます。

本人は決してウソをついているわけでもなく、学校に行く気はあるのに、なぜかこのタイミングで体が不調になるのです。

そして、それは多くの場合、子ども本人もなぜそうなるのか理由がわかっていません。

だから、体の不調を訴えていることを疑ったり、責めたり、否定すると、かえって症状が長引いたり悪化したりすることがあります。

突然のことで親として戸惑うことは当然だと思いますが、「子ども自身も戸惑っている」ということをまず理解していただきたいと思います。

体の不調はどこから来るの?

朝起きて、準備をして、学校に行くという一連の作業は、誰もが当然にやっているように見えて、実はとてもエネルギーを使います。

起きてから家を出るまでの時間はとても短いうえにやることも多く、しかも「7:20に自転車で家を出て、7:30の満員電車に乗って、8:30までに学校につく(例)」などと、いくつものタイムリミットに常に追いかけられています。

自分でもちゃんとわかってるので、タイムリミットに気を張っている状態の中、

  • 「ちゃんと〇〇をした?」
  • 「〇〇をしなきゃダメでしょ!」
  • 「早く〇〇しなさい!」
    などと親から指示的・高圧的に声を掛けられていたとしたらどうでしょう?

ただでさえ親からの指示にうんざりしているのに、挙句の果てに、「早くしないと遅れるわよ!」と脅しのような声掛けをされる毎日を想像すると、朝からやる気がそぎ落とされてしまうことも容易に理解できますね。

親としては、心配だから、ただ当たり前のことを言っているつもりなので、「それくらい言われて当然でしょ」と思うかもしれませんが、子どもが親の気持ちを理解して親と同じように受け取っているという解釈は、子どもに期待しすぎですね。

それでも、「うるせえよ!」などと言い返すことができる場合はまだよくて、心配なのは親からの指示を真面目に聞いて、それら全部を「きちんとやらなければならない」と思っている子どもたちです。

忙しい朝の準備を、自分のペースではなく親のペースに合わせて、親の言うことも全て守り、無理して頑張ってきた結果、体が不調を訴え始めます。

これらの子どもたちは、親に対して不満が言えないので(それが不満だと気づかないようにしていることもある)すべて自分の中に抱え込みます。

中には、できないのは自分が悪いからだと、自分を責めている子もいます。(「子どもが自分を責めるという考え方を理解する」参照

いわば、毎日「そうとう我慢している」という状態です。

たとえ無意識でも、心にそういう我慢がたまってくると、自分でも知らないうちに体が不調を訴えてくるのです。

家庭内でできる対応

子どもが原因不明の朝の体調不良を訴え始めたら、まず、子どもが「我慢しすぎていないか」をよく考えてください。

そして、次に「その我慢はどこから来ているのか?」を探ってみましょう。

お母さん自身が我慢の原因になっている場合もありますし、他にも勉強を無理しすぎていることや友達関係で我慢していることなども考えられます。

子どもが自分のペースに合わないことや、本当はやりたくないと思っていることがないか、よく話したり観察して(質問しても答えない場合もある)、我慢していることを見つけたらその環境を見直すように努力してみましょう。

同時に、子どもが家の中で安心できて、エネルギーが充電でるように、家庭環境を配慮してあげるといいかもしれません。

親が思っている以上に、これらの子どもたちは物事に敏感に反応します。(HSCの場合もあります)

ぜひ、そのことを理解して、子どもの気持ちが安心できるように、心掛けてみましょう。

「親が自分を理解しようと努力している」という姿勢が伝われば、自然と症状は落ち着いていくと思います。

ご家庭ではどうにもならないときは、早めに専門機関にご相談することをおすすめします。

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