「子どもが自分を責める」という考え方を理解する
皆さん、こんにちは。
不登校の子ども達と接している中で、
「私が悪いんだ」
「私はダメなんだ…」
「私のせいでみんなに迷惑をかけている…」というフレーズをよく聞きます。
いずれも学校に行けない理由を「自分のせいだ」と思い込んで自分を責めているものです。
自分を責めることから始まる
一般的に、人は自分では理解できないことが突然起こると、まず「その原因が自分にあるのではないか?」と疑います。
だれでも一度は思い当たる節があると思います。
ある日、突然友達や知り合いに冷たくされたり、つらく当たられたり、挨拶を無視されたりして、「あれ?私何かしたかな?」と思った経験があるかもしれません。
しかし、後で考えてみたら「あの日は体調が悪そうだったな」、「夫婦ゲンカしたって言ってたし」、「いやな事があってヘコんでたから」とか、その人の事情でそんな対応をしていただけだった、なんてことが分かって、「なんだ、そうだったんだ!」でスッキリしたという結末も。
しかし、大人と違って、子ども達はこの「結末」まで自分の力でたどり着けず、「自分が悪かったんだ」という気持ちを持ち続け、苦しむことが多くあります。
それは、幼いうちは
- 「自分と相手が違う」ということがまだハッキリと理解できないため
- 「理由が分からない」という不安に耐えられないため
- そして、相手を責めずに済むためです。
両親がケンカしていても子どもは自分を責める
例えば、子どもは両親がケンカをしていると、理由が分からないので「自分がいけない子だから・・・悪い子だから」と結論付け、自分を責めます。
そこに結論を持ってくることにより、理由が分からない不安から解放されるとともに、大好きなお父さんと大好きなお母さんのどちらかを責めずに済むからです。
それがエスカレートすると、親のケンカを止めようとして、しなくてもいい努力、またはしなくてもいい失敗を繰り返したりします。
「私がたくさん勉強して、いい点を取れば、両親がケンカすることはなくなるだろう」
「親がケンカする前に、自分が悪いことをして怒られれば、ケンカにならずに済むだろう」という具合です。
行動だけ見れば、「なんでそうなるの?余計手のかかることを」と思うかもしれませんが、子どもの中ではきちんと一本筋が通っている理屈なのです。
不登校の子ども達の思考回路
これを不登校の子ども達の思考回路に当てはめて考えてみましょう。
多くの子どもたちは、自分でも学校に行けない理由がよく分からないので、とても大きな不安を抱えます。
しかし、この大きすぎる不安に耐えられないので、「学校に行けないのは自分が悪いからだ」と自分を責めることで、不安を解消しようとします。
そのうえ、自分と相手の境界線が曖昧なため、「みんなができているのに自分だけできていない」という事実がとても重くのしかかってきます。
この重すぎる現実を受け止めることができないので、「自分はダメなやつだ」とさらに自分を責めてしまいます。
そして、自分を責めているうちは、どんなに苦しくても、他の人(親)を責める必要がありません。(口では暴言を吐いていても、内心では誰よりも自分を責めています。)
結果、「自分は親に迷惑をかけているダメなやつだ。」となる訳です。
実は「自分を責める」ことで、本当は自分と家族を必死に守ろうとしているのです。
「自分を責める」というアイデアは、未成熟な心が導き出したみんなを守る最良の方法なのです。
子ども達は、この「自分を責める」という思考回路の中をグルグルしていて、この中にいる限りは、自分から動き出すことは難しいと思われます。
子どもがこの思考回路を卒業するためには、親が子どもの「自分を責める」という思考回路をよく理解して、相応の対応をして取っていく必要があるのです。
おやこペアレントスクールでは、子どもの心理をより深く丁寧に解説するとともに、具体的な対応についても学ぶことができます。
毎回のセミナーでは、皆さんの質問や疑問にもその都度お答えしながら、お父さん・お母さんの不安も軽減していくことができます。
子育てに不安はつきものです。
勇気が要るとは思いますが、一人で抱え込まずに、是非一度私たちとシェアしてみませんか。
お子さんが前に進むキッカケになるかもしれません。