不登校の子どもたちが口に出せない本当の気持ち
皆さん、こんにちは。
お子様がある日突然学校に行けなくなってしまうと、親としては理由が知りたくなるのは当然のことかもしれません。
「学校で何かあったのでは?」と心配になるのも理解できます。
しかし、何度理由を聞いても、子ども達は何も言いません。(言えません。)
大人はシンプルに、原因があるならそれを取り除けばまた学校に行けるようになるのではないかと考えます。
もちろん、そのようなケースもありますが、子ども達が学校に行けなくなった背景は、実は大人が考えるよりももっと複雑で、深く入り組んでいて、長い年月の中で積み重なったものなのです。
だから、不登校の問題を解決するためには、相当の覚悟と時間が必要です。
事柄よりも感情に目を向ける
何も言わずただ学校に行けない子どもを前に、親は子どもの考えていることが全く分からず何をどうしたらいいかと悩み、焦ります。
時には、親としても感情が昂ぶり、子どもを責めて声をあらげてしまうこともあるでしょう。
しかし、学校に行けない理由に目を向けている限り、子ども達が動き出すことはまずありません。
専門家から見ると、学校に行けない理由にこだわるよりも、子ども達が抱いている気持ちに目を向ける方が、改善は早いです。
「目の前で起こっている事柄よりも目に見えない感情を取り扱う」というわけです。
日々、子どもの動向を目の当たりにしている親御さんにとっては、なかなか難しい対応になるかもしれませんが、是非このことを心にとめておいてください。
子ども達が考えていること
では、子どもたちは一体どのような感情を抱いているのでしょうか。
学校に行けなくなったきっかけや理由は様々ですが、学校に行けないことで子ども達が考えていることや思っていることには共通点があります。
学校に行けない子ども達からよく聞くフレーズは、
- 親に迷惑をかけている。申し訳ない。
- みんなができることができない自分はダメな人間だ。
- 自分のことが大嫌い。
- もう傷つきたくない。
- もう疲れた…
- 消えてなくなりたい…
- 本当は分かってもらいたいのに、誰にも言えない…
- お母さんに嫌われたくない…
などです。
中には、何ひとつ言葉に出来ない子もいますが、それでもたいてい同じようなことを思っています。
たとえ一日中ゲームやYouTubeを観ていようとも、暴言・暴力で家の中がめちゃくちゃでも、学校に行けない子どもたちはみんな、おしなべてこのようなことを思っています。
これらのフレーズを丁寧に紐解いていくと、子ども達が抱いている低い自己肯定感や、学校や社会に対する矛盾感、大人に対する不信感、母親に対する見捨てられ不安などが見えてきます。
ここに手を差し伸べることが必要なのです。
これらの複雑な感情が1日やそこらで出来上がったわけはありませんが、思春期特有の感情面の幼さと思考面の成熟さのアンバランスがこれらの感情をより増幅させていることは考えられます。
子どもたちは一日中ずっとぐるぐるとこんなことを考えていて、先に進めなくなってしまうのです。
家にいて体が休んでいるように見えても、怠けているわけでも甘えているわけでもありません。
一生懸命フル回転で考えているので、心が休めているわけもありません。
そんな状態のところに「一体いつになったら学校に行くの?」「エネルギーの充電っていつまでするの?」などと迫ることがどのような結果になるかは想像に難くありませんね。
おやこ心理相談室が主催するペアレントスクールでできること
9月からスタート予定のおやこペアレントスクールでは、こういう子ども達の気持ちをより深く考察していき、
- なぜこのように考えるようになったのか?
- どうしてそんな風に思うのか?
- その発想はどこから来ているのか?
という疑問に答えていきます。
子ども達の感情や思考を、その成り立ちと共に振り返ることで、初めて子ども達が抱えている純粋で、繊細で、複雑な気持ちが理解できるようになります。
親が「なるほど、そうだったんだ!だからそう思うんだ。」と気づくことで、子ども達の行動が理解できるようになってきます。
ここが本当の意味での「不登校が改善へ向かうスタート」だと思います。
そして、子ども達の気持ちが理解できるようになったうえで、様々な対応について一緒に考えていきます。
最初に言っておきますが、ペアレントスクールの過程には、親としては耳が痛いこともたくさん聞かなければなりません。
多くの親御さんはこれまでの自分を振り返ると、自分が間違っていたと自分のことを責め始めます(もしくはもうすでに責めています)。
そして多くのお母さんたちがそこから先に進めなくなってしまうのです。
「自分を責めてばかりで先へ進めない」という状態は子どもの状態と全く同じですね。
しかし、おやこペアレントスクールでは、カウンセラーが同席しているので、お母さんがこの状態から抜け出すことをサポートすることができます。
一人ではどうにもできない状況も、専門家と一緒に子どもの心理を学ぶことで、おやこで前に進み始めるためのきっかけになるかもしれません。
子育てに行き詰っているお母さんたちにこそ受講していただきたいと思います。(受講者の数には限りがございます。ご予約はお早めに。)