ひといちばい敏感なことは素晴らしい個性
皆さん、こんにちは。
今回は前回に引き続き、「HSC」の子ども達について考えていきたいと思います。
「HSC」と発達障害の違い
「HSC」と発達障害はよく似ている側面があるので、混合されてしまうことがありますが、この二つは対極に位置しているようなものなので、対応が全く異なってきます。
大きな違いは、発達障害は人の気持ちが分かりづらいのに対して、「HSC」は人の気持ちが分かりすぎることです。
発達障害の子ども達に対応するように「指示を細かく分かりやすく」しようものなら、「HSC」の子ども達は、そこから100を考えて、さらに悩むことになりかねません。
また、発達障害の子どもは衝動的になることがありますが、「HSC」の子どもは衝動的にはなりません。
さらに、片付けに関しても違いがあります。
発達障害の子どもは片付けや整理整頓が苦手ですが、HSCの子ども達は片付いていないと落ち着かないところがあります。
また、発達障害は脳の機能の障害なので、医療機関で診断されますが、「HSC」はあくまでも生まれつき持っている性質(気質)なので、病気や障害ではありません。
この二つを混合することなく対応できるようになるためには、学校の先生や親御さんが、「HSC」に関して、発達障害と同じくらい正確な知識を持っておくことが必要です。
「HSC」が身に付けておきたい必要なスキル
① バウンダリー(境界線)
「HSC」はその共感力の高さゆえ、人の問題を自分の問題と捉えて、一緒に苦しんだり、解決に向けて努力しようとするので、相手に依存されやすいという一面もあります。
相手から利用されたり、極度に依存されることから自分を守るため、自分と相手との間に境界線(バウンダリー)を引くというスキルを身に付ける必要があります。
「相手は相手、自分は自分」と思うトレーニングを日頃からしておくといいですね。
② ダウンタイム(適度な休憩)
様々な刺激に敏感に反応してしまう為、すぐに疲れてしまうので、適度に休憩を取ることも大切です。
一度その場から離れることも、あえて刺激を紛らわすことも、気持ちを切り替える為に有効です。
また、休憩を取ることを「周囲に申し訳ない」「自分だけできない」などと思ってしまいがちですが、「自分にとって必要なことだ」と割り切ることも、自分を守る上で大切です。
「HSC」の子ども達は、自分のことを責めていることが多いので、親や学校の先生、友達など一人でも自分のことを理解してくれている人がいると安心できます。
「HSC」は人の気持ちが分かる素晴らしい個性!
物事を敏感に感じすぎるせいで、人と同じようにできなかったり、家や学校で急かされたり、怒られたりした経験から、「HSC」の子ども達は自分を責めていたり、自己肯定感が低いことが多くあります。
しかし、「HSC」であることは、人の痛みや悲しみに共感することのできる素晴らしい能力だと思います。
人の些細な変化に気が付くことができたり、細かい配慮ができるということは、周りの人や関係をスムーズにする潤滑油のような役割ができて、大きな長所になります。
昔から、敏感な人たちは医者や看護師、弁護士、芸術家、科学者に多いと言われています。
いち早く危険を察知したり、結果を予想できる能力に長けているからです。
こんな素晴らしい能力の持ち主が、自分を責めたり、自己否定しているのはとてももったいないことだと思います。
敏感さゆえの生きづらさは否めませんが、その生きづらさとなんとか共存しながら、自分の能力を活かすことができれば、充実した人生を歩むことができると信じています。
「HSC」の子ども達が、それぞれの個性を失うことなく成長し、元気に活躍する世界は、今よりもっと素晴らしい世界になることに違いありません。
「HSC・HSP」に関して、より深く知りたい方は、一度おやこ心理相談室・おやこフリースクールをご利用下さい。
ひといちばい敏感な方々の良き理解者となれるよう心掛けて参ります。