子どもの燃え尽き症候群とその対応
皆さん、こんにちは。
ただの疲れを通り越して、いわゆる疲れ切った状態、もう何もかも疲れてヤル気がなくなってしまって、いろいろなことをギブアップしてしまうという状態に落ち込むことを「燃えつき症候群」と言います。
ちょっと前までは、大学生に多く見られていた症状でしたが、最近では小学生や中学生にも時々見られる症状の一つになっています。それだけ学校生活以外に習い事などで忙しいということですね。
どういう時におこるのか?
どういう時に起こるかというと、一生懸命何かに打ち込んで、期待と希望を抱きながら何倍も努力していたのが、残念ながらその目標を達成できなかった時。途中で挫折してしまった時。あるいは、一応目標は達成したけれども、結果的に見ると、みんなに褒めてもらったり、賞賛してもらえなくて、ガッカリしてしまった時。
もうこれ以上頑張ったり、努力できないという状態に落ち込んでしまうと「燃えつき症候群」が起こってしまいます。「バーンアウト」という言葉で表現する場合もあります。
中学生や高校生くらいの子ども達の場合で言えば、それまで一生懸命勉強して努力してきたのに、受験に失敗してしまい、それっきり無気力状態に陥ってしまい、もう何もかもヤル気が出なくなってしまうことがあります。
こうなってくると「疲れた~眠いよ~」というような口癖が多くなり、集中力もなくなり、ボッ~としていることが多くなります。
心の中には、「こんなに頑張ったって、どうせうまくいかないんだから、もう二度とやるもんか!」とか、「あ~あ、僕はやっぱりみんなに比べてダメなんだ・・・何をやっても失敗しちゃうんだ・・」というふうな自己嫌悪の気持ちとか、自信喪失とか、あるいは、周りの人に対する恨みとか、いろいろな気持ちが渦巻いています。
親はどのように対応すればいいのか?
では、子どもが燃えつき症候群になってしまったら、親としてどのような対応が望ましいのでしょうか。
まず、先ほど挙げたように、自己嫌悪感や自信喪失感などの気持ちを子どもとよく話し合って、心の立て直しを図ることが、対策としての第一歩になります。
この時の注意点は、子どもの訴えに良し悪しの判断を付けずに聞くこと、努力してもうまくいかなかったという子どもなりのショックな気持ちを受け止めることです。
こういう気持ちを表現できるようになると少しずつ元気を取り戻していきます。
また、結果論だけではなく、努力してきたプロセスに焦点を当てながら認めてあげることも大切です。
思春期に入っている子どもの場合には、自分の気持ちを親とじっくり話し合うことは難しいかもしれません。そういう時は、あまり無理に話し合う必要はありません。
多くは語り合わなくても、見守っている姿勢があれば大丈夫です。
ただ、生活リズムが乱れたり、食欲の低下や睡眠障害などが顕著にみられる場合には、医療機関や専門機関に相談してみることをお勧めします。
その子の状態にあった、具体的な対応策を提案してくれることでしょう。
心の立て直しがある程度図ることができるようなると、子どもは少しずつ新しい希望と新たな目標を再び設定することができるようになります。
「燃え尽き症候群」という、辛く苦しいトンネルを通りぬけたことで、子どもは一回りも二回りも成長することができるようになるのです。